日本の負債1,053兆円という発表が、財務省から2016年8月に発表されました。
昔から、この負債1,053兆円という数字が、あたかも借金が1,053兆円あるように宣伝されていますが。。。これってウソだよ。
この悪辣な宣伝で日本の一般庶民に「増税止む無し」の意識を埋め込むのが財務省の狙いであることは疑いようがありません。
はっきり言って財務省が増税し、企業の税金を減らし、天下りする為の論法か? と思えますな。
まあ、円の価値を維持するという目的であれば納得するんだが。。。
日本は借金国家なのか?
日本を会社に例えて財務諸表を見てみよう、というかここに書かれている。
最新のデータは財務省が平成26年分しか発表していないので、これを例にする。
このバランスシートを見ると、負債の部は1,171兆円となっていますな。
そうか~。ヤッパリ借金がこんなにあるのか~と納得しては駄目だ!
バランスシートって、資産の部があるんだよ。
資産の部には679兆円も資産があるじゃありませんか!
実際の借金(赤字分)は約492兆円!
半分以下の数字になります。
で、日本国グループ(国が出資している法人、研究機関、大学)である連結決算ベースでみると。
負債は1,371兆円で資産は932兆円となり、439兆円の借金となります。
バランスシートは右と左は同じ値になります。
会計上は借金ができる限り、国も企業も倒産しないのです。
日本国の最大の債権者は誰?
日本国に一番金を貸しているのは誰でしょう?
日本は国家予算編成時に税収と予算額に差がある場合、国債を発行して借金で予算編成を行います。
その国債の引き受け元は?
そうです、日本銀行ですね。
因みに日本銀行はJASDAQに上場している会社って知っていましたか?
日本銀行法に守られて株主総会は開かれませんが、国が55%を出資して作った会社です。
ちなみに日本銀行の財務諸表を見てみましょう。
日本銀行の資産の部に計上されている国債を見て下さい。
397兆円も持っていますね。
連結ベースである439兆円-397兆円=42兆円が、国がどこからか借金しているという見方もできます。
そうです、日本は借金しているといいますが、国内の会社に借金しているだけなんです。
他の国と比較すると、ヨーロッパで問題となっているギリシャの借金はユーロで借金しているので他国から借金している形になります。自国の通貨を持たないユーロって怖い金融システムなんだよ。
日本政府と日本銀行の関係
日本政府は国が作った会社に借金している訳ですが、なんとこの借金には利息が付きません。一応、形の上では利息を払っていますが、その利息は納付金という形で政府に返却されます。
財務省の連結会社に日本銀行が名前を連ねていませんが、出資比率から考えても、間違いなく連結子会社に該当します。
連結会社とは連結決算のルールにより、親会社と子会社間のお金の貸し借りは相殺されるのです。これは前述したように親会社の借金が、子会社の資産となっているからです。
つまり、日本政府の借金は会計のルール上、無いも同然なのです。
最悪のこのままいくと
実は日本の中央銀行(日本銀行)の国債引き受け率は先進国一低い、30~40%です。
アメリカでは65~80%、イギリスでは60~80%であり、この2国が倒れていない現状からも日本はまだまだ問題無い範囲なのです。
で、もっと深刻な事態に陥ったら何をするのかというと、日本銀行券をバンバン刷ればいいのですよ。日本中に紙幣を発行し、円の価値を下げていけばいいのです。(今もやってますが。。。)
そうです、ビックマックが100万円で買えるようにすればいいのです。
これを悪いインフレといいます。
結果として、国の借金負担は軽くなっていきます。
一般企業のように他国に買収されて日本国民が奴隷となるようなことはないでしょう。
一方、ギリシャは他国への借金を返す為、年金の圧縮や増税をしないといけません。どんなに頑張っても他国と共通価値を持つ貨幣に対して、借金を返却しなければならないのです。この先、どうなっちゃうんでしょうな?
まとめ
話が長くなってしまいましたが、財務省が声高に叫んでいる負債は日本の本当の借金では無いことは理解できたのではないでしょうか?
約1,000兆円を1人あたりいくらで!とか、インターネットでHPを見ると約1,000兆円をベースに借金が刻一刻と積みあがって行くサイトがありますが、この数字を国民みんなで返さないといけない訳ではありません。
まあ、借金(赤字)があるのは事実ですが、国外で経済危機があると利息も付かないのに日本の円が買われるのは、世界的に見ると日本の円が安全(消去法で)なのは間違いないでしょう。
日本政府は増税するのはいいのですが、正しい情報を伝えて欲しいものです。マスコミも財務省の手先にならないで欲しいものですな。