今期は狩猟を初めて一年目なので習うことばかりですが、やっとのことでイノシシ(猪)に出会うことができました。
朝、巻狩の集合場所に集まると今日の獲物は前日に別の狩猟グループが仕留め損ねたイノシシだということです。
その時に猟犬が20針?を縫う大怪我をさせられたそうで、このようなイノシシは勝ち誇るらしく、そのまま山に残ることが多いようです。
その為、居座っているイノシシを今日は狙うことになったようです。
ベテランの先輩にタツを教えてもらい、山登りを開始です。
指示は「この墓地の階段を上がって、そのまま杉山を200mぐらい登ったら雑木林に出るから、そのあたりでサクリ(獣道)を見つけて立っていて。」
という感じです。
この辺りの山は急斜面ばかりの山なので、山道というより登山という感じで獣道に近い山道を上がっていきます。
指定された場所から200m上っても全く雑木林が見えません。
さらに200m以上登ると頂上が見えるぐらいの場所で10mぐらいのポツンとした雑木林がやっと見えました。体は全身、汗だくです。
吾輩(お、ここだなや?)
とサクリ(獣道)を探しましたが、新しいものは見つかりません。
吾輩(ダメだ、この上に行ってみよう)
とさらに上を目指します。
結局、主尾根までさらに200m程、登ってみると傍に40m四方の雑木が生えている場所がありました。
ここには鹿の寝屋とサクリ(獣道)が無数にあります。
体は汗でビショビショです。
巻狩はダイエットに最適です!
吾輩(ここにしよう!)ということで狙いやすい場所に陣取ります。
暫くすると犬を放すという無線が入りました。
直ぐに犬がイノシシを見つけた(起すというらしい)と無線に入ります。
勢子がどっちに行ったか指示を出します。
勢子Aさん「神社の上にはタツ入れていないの?そっちに行ったよ。」
勢子Bさん「うーん、どうだろう?」
吾輩(神社?ワシは墓地を上ってきたけど、神社じゃなかったぞ?)
そんなことを考えていたら、犬の鳴き声と鈴の音が近づいてきます。
吾輩(え?こっちに来るの?)
慌てて銃を構えて、待ち伏せすると黒い動物が距離50~60mぐらい離れた中腹を速足で歩いて来るではありませんか?
シルエットは明らかにイノシシです。
吾輩(おー。確かにイノシシだ。)
狙いをつけて発砲!イノシシがコロンと転がりました。
吾輩(え?当たったの?)
以外とアッサリ倒れるイノシシ。
バックに詰めた剣鉈を持って止めと血抜きにイノシシに近づいてみると目の上の頭蓋を左から右へ弾が貫通していました。
スラッグ弾の威力は凄まじいものです。
追いかけて来た犬はイノシシに猛烈に噛み付いています。
暫く噛ませておいて、タイミングをみて犬を引き剥がして血抜きをします。
血抜きは喉は横に切り、心臓を刺しましたが喉からは血が出ませんでした。
心臓部分からは血がでましたが、後で解体した時に確認すると心臓の上の大きな血管を切っていたようです。
切った後は頭を山の下側へ向けて血が流れるようにします。
後で、仲間が来て一緒にイノシシを運び出して無事に初イノシシの猟が完了しました。
今回、冷静に引き金を引きましたが、私はカモ撃ちで散弾銃を何発も撃っていますので緊張もせずに発砲することができました。
今、考えると初めて猟場でイノシシに出会ったら緊張して力が入ってガク引きし、狙いを外したかもしれません。
また、スラッグ弾は反動が強烈だと聞いていましたが、私の銃にはキックオフ機能がついており、冬の厚着の効果と相乗して全く反動を感じません。
この安心感も冷静で撃てた要因かもしれません。
兎に角、なるべく実射の機会を作っておくのは重要だと思いました。
巻狩は自分の所に獲物がくるチャンスはシーズンを通して限られていますので少ないチャンスを逃さないようにしたいですね。