ベイトリールとスピニングリールはとちらが飛ぶか?

アドセンス上

ベイトリールとスピニングリール、魚を釣るには他の人が届かない場所へエサやルアーを飛ばす必要があり、とても重要なことである。
河川の釣りでは、飛距離は特殊な場合を除いて問題では無いが海であれば投げ釣りや、遠投カゴといった飛距離が必要な場面が多くなる。

スピニングリールの構造

スピニングリールはミシン用の糸巻きを横にして糸を解いて行くイメージを想像すると良いだろう。

遠投を妨害するリールの構造

リール自体にラインを放出する機能は無く、放出する物体のエネルギーがラインをリールのスプールから引き出す仕組みだ。

リールの構造で遠投を妨害する箇所はあるだろうか?
それはスプールのエッジが該当する。
ライン放出時にスプールのエッジに触れながらラインが放出される為、この摩擦抵抗が大きくなれば必然的に飛距離が落ちてくる。
ラインをスプールのエッジ近くまで巻いているキャスト直後の状態は抵抗が少ないが、ライン放出量が多くなって糸巻き量が減ってくるとスプールエッジにかかる摩擦抵抗が多くなる仕組みだ。

遠投用のリールがスプールの縦幅を大きくしてエッジ部分を小さくし、なるベくラインの溝に変化を与えないようにしているのは非常に合理的だ。

遠投を妨害するロッドの構造

スピニング用リールのロッド構造はどうなっているだろうか?
スピニング用リールのガイド数はベイトリールに比べて数が少ないのが特徴だ。
従って、ライン放出時にガイドに掛かる抵抗は少なくなる。
しかし、リールに近い1番目のガイドを見るとベイトリールのガイドよりも大きいのが特徴だ。

これは、リールのエッジを回るようにラインが放出される仕組みの為、1つ目のガイドを小さくしてしまうと、ロッドの先端に向かうラインが1つ目のガイドをスムーズに通過できない為である。
その為、1つ目のガイドを大きめにとり、徐々にガイドの中心部へラインを集めるように工夫されている。

結果としては、ガイド数は少ないがリールの構造上、ガイドに掛かる摩擦はベイトリールより大きいと言える。

ベイトリールの構造

ベイトリールはどうだろうか?

ベイトリールはミシン用の糸巻きで見た場合、糸の巻いてある箇所から真直ぐに糸を引き出すような仕組みであると言えるだろう。
トイレットペーパーの紙の引き出し方を想像してもらえれば良い。

遠投を妨害するリールの構造

ベイトリールはスプール自身が回転する構造上、キャスト後はスプール自体がラインを吐き出す仕組みである。

この仕組みのせいで、キャストした物体の放出速度がスプールの吐き出す速度より遅くなると、回転するスプールのラインの行き場が無くなりバックラッシュという現象が発生する。

ベイトリールで遠投する為には物体の速度とスプールから放出するラインの速度を同じ速度にする必要がある。
この2つの速度が常に同じだった場合に最高の飛距離が得られることになる。

しかし、残念ながらスプールからラインを放出する速度の調整は遠心ブレーキや、マグネットブレーキ、さらには人の感覚(サミング)、デジタルコントロール(DC)で行ったとしても理想の調整は今だに実現できていない。

遠心ブレーキとマグネットブレーキは、キャスト直後からスプールに抵抗をかける構造である為、初速での伸びを殺してしまっている。
また、放出後の中盤から後半のブレーキはサミングで行われるが、人の感覚で制御する為にブレーキがバラつくことになる。
デジタルコントロールに於いては数パターンのプログラムされたブレーキを実現しているが、無数にあるルアーや錘、後述するロッドのガイド抵抗に対応している訳では無い為、これからも改良されていくだろう。

もう一つ、ベイトリールには摩擦抵抗になる部分がある。
それがレベルワインダー(レベルワインド)だ。
過去のAmbassduerではスプールとレベルワインダーが連動して動いていたが、これ自体はラインの放出抵抗を減らす動きで素晴らしいものである。しかし、スプール駆動のエネルギーをレベルワインダーを動かす動作で消費してしまう為、別の理由で遠投ができないようになっている。

ここで議論になるレベルワインダーとは、レベルワインダー内に設置されている小さな穴の部分である。
ライン放出時に最初の抵抗となるのがこの穴の部分だ。
ダイワのT-Wing System(TWS)はこの部分の抵抗を極力減らす為に作られたシステムであるが、この部分だけで5%飛距離が伸びると謳うのはやり過ぎではなかろうか?
話を戻そう。
この部分の抵抗を減らすことは重要だが、ここで集められたラインは真直ぐにロッドのガイドへ向かって放出され、1番目のロッドのガイドへ行きつく。

遠投を妨害するロッドの構造

ベイトキャスト用のロッドの特徴は、ガイド数がスピニング用のロッドよりも多くあるのが特徴だ。
単純にガイド数だけ見るとガイドの抵抗が大きいように感じるが、1つ目のガイドは小さく、リールのレベルワインドからラインが直線状に放出される為に、ガイドの摩擦はスピニング用ロッドよりも少なくなると考えられる。

まとめ

まとめるとキャストした後、放出された物体の特性によって、どちらが有利になるかが決定される。

放出された物体が空気抵抗が強いものであれば、初速から減速する要素が少ないスピニングリールが有利になる。

逆に、物体に十分な重量があり、空気抵抗に負けない重量物を投げる場合はベイトリールにも有利な場面が出てくる。
しかし、ベイトリールを有利にするには条件が伴う。
それは、遠心ブレーキやマグネットブレーキを外し、リールの初速を減速させない工夫と中盤から後半にかけてバックラッシュをさせないギリギリのサミング力が必要になることだ。
ある意味、達人レベルの技術力が必要ということになるだろう。

根本的には相対性理論から、ベイトリールとスピニングリールで同じ物体を同じライン、ロッド長、キャスティングフォームでキャストした場合、構造上の摩擦によるエネルギーロスが無ければ同じ距離を飛ばすことができる。

結論を述べると誰でも容易に扱えるスピニングリールが有利であるということである。

太公望舎「ワシが戸田島 平八だ! ベイトリールと気合い」より

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